映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」

母にありがとう、って面と向かってはなかなか言えません。

でも、近頃は段々年老いてくる母を見て
いつかは口に出して言う日が来るのかな、という気持ちになることがあります。
母にありがとうを言う日、それは母と私の別れが近づいてきた時なんじゃないかな、となんとなく思うのです。

自分が若い頃は、全然そんなこと思わなかったんですよ。
幸い母も健康でしたから。
いつかはいなくなるんだ、何て考えもしなかったから。

ここ何年か、
私の周りの同年代の人のお母さんが亡くなったりすることが増えてきました。
学生時代の友人からの年賀欠礼のハガキを受け取ることも増えました。

そういうことが身近になってきて初めて
母の大事さがわかってきてような気がするんです。
子供の頃の母と自分を思い出すのです。
不思議と、思い出すのは母とのことで父ではないんですね＾＾；

女同士ですから、色々と喧嘩もしました。
口うるさい母でしたから・・・これは今でもですが・・・
早く家を出て自由になりたいとも思っていました。

でも、そんなことも懐かしく思い出されるのです。
不思議ですね。

ありがとう、って口に出していえない代わりに
めっきり足の弱ってきた母を車に乗せて良く出掛けるようになりました。
もともと出掛けるのが大好きな母ですが、
膝が悪いので階段があったり長い距離だったりは歩くのが大変なんです。
去年私が仕事を辞めて平日時間が取れるようになったので
新しいショッピングセンターができた、といっては出掛け
面白そうな映画がかかった、といっては出掛け・・・。
今年はさくらんぼ狩りにでも一緒に行こうかな、と計画中です。
そのときは父も一緒に＾＾

ありがとう、の気持ちをこめて・・・。

自分自身が母となってわかること、

母は、子供には見返りを求めていないであろう・・・ということ。

映画「東京タワー　オカンとボクと、時々、オトン」

2007年4月14日公開です。